花祭り

女将だより2022.04.08

こんにちは。料亭やまさの女将山上綾子でございます。

4月8日は、釈迦の誕生を祝う仏教行事・灌仏会(かんぶつえ)でした。
いろいろな場所で、お祝いのお祭りが開かれたようです。

このお祭りは、「花祭り」というおめでたく、
可愛らしい別名で呼ばれることが多いようです。
釈迦が生まれたのが花園であったため、
そして桜の時期だというのが由来といわれます。
花祭りには宗派の境がなく、お寺では屋台が出たり、コンサートや
演芸が催されたりと、にぎやかで大らかなお祭りのようです。
いわば、「お釈迦様のお誕生日会」ですね。

花祭りにお供えする食べものといえば、甘茶と草団子が知られています。
甘茶は、釈迦が誕生した時につかった産湯を表しているといわれています。
アマチャヅルという植物を煎じたお茶で、非常に強い甘味があります。
漢方薬にも使われ、アレルギーや歯周病予防に効くそうです。
草団子は、すがすがしいヨモギの香りが特徴ですね。
ヨモギは「ハーブの女王」とも呼ばれるほど薬効が高いといわれます。
ビタミンとミネラルが豊富で、漢方薬では食欲増進・殺菌・整腸・止血に使われるようです。
お灸に使う「もぐさ」も、ヨモギの葉を乾燥させて裏側の綿毛を採取して作ります。
独特の香りは、入浴剤にも使われるそうです。

甘茶と草団子には、栄養がたっぷりです。花冷えの日もあり、
新年度が始まって何かと慌ただしいこの時期のエネルギー補給には、
ぴったりのおやつではないでしょうか。
お釈迦様にあやかって、美味しくいただきたいですね。

料亭やまさ 女将 山上 綾子