女将ご挨拶
この度は当店のお取り寄せホームページに
ご来店いただき誠にありがとうございます。
当店は大分県の山奥にあるひっそりとした料理宿ですので、
多くの方に来ていただくことが容易ではないことは承知しております。
ただ、私にはこの店に嫁いできた時から持ち続けている想いがありました。
「もっと多くの方に安心院(あじむ)の郷土料理を食べて欲しい。」
そしてインターネットでのお取り寄せを開始したのが6年前です。
お取り寄せいただいたお客様に直接お会いすることは叶いませんが、
ご注文いただいた商品を梱包するにも心をこめ、
お客様の笑顔を想像しつつ本日も日本全国のお客様のもとへお届けさせて頂いております。
古の自然息づく安心院郷
大分県北部に位置し四方を山々に囲まれた安心院(あじむ)盆地は、温暖な気候に恵まれ果物や穀物の実り多い豊かな土地です。昔から米・麦・イチゴといった農産物の生産、養蚕、畜産、シイタケ栽培も盛んに行われ、近年では葡萄の生産量は九州一となりました。
また、3つの渓谷に沿って流れるのは津房川・深見川・佐田川。夏には蛍が舞い、これらの清流にはすっぽん・鯉・鮒・鮠が棲み、川の幸にも恵まれています。
当店はこの地の恵みを活かした郷土料理をお出しする料理屋として、大正9年に創業いたしました。
安心院すっぽんの歴史はやまさから
当店初代の山上作太郎は、美食家としても著名な大正時代の政治家・故.木下謙次郎氏と親交が厚く、謙次郎氏に促されるようにして、すっぽん料理屋を開きました。
謙次郎氏は当時ベストセラーとなった著書『美味求真(びみきゅうしん)』の中で、「あにこれ鼈の高産地としての総ての条件を完備させる理想の水郷ならずや」と安心院(あじむ)こそが上質なすっぽんを育てあげる最適の地と記しておられます。
また、「其の滋味の優逸なるは、多くの食品中第一に推すべし」と鼈(すっぽん)の滋味を真っ先に挙げ、「其の肉の特徴として、多食して飽満の気を起こさず、食へば食ふほど逸味の加はる感あることなり」と、いくら食べても食べ飽きることがなく、食べるほどに味わいが増すことを強調し、食通が最後に辿りつく食としてすっぽん料理を紹介しておられます。
現在では、すっぽん料理は安心院(あじむ)の名物料理となりましたが、安心院(あじむ)におけるすっぽんの歴史は、まさに当店の誕生とともに始まったのです。
文豪も愛した安心院すっぽん
昭和の文豪・故.松本清張氏は、古代史研究や取材などで大分に訪れた際には必ずといっていいほど当店へ立ち寄られ、すっぽん料理に舌鼓を打たれておりました。晩年には病床からもお取り寄せいただきました。当店の安心院(あじむ)すっぽんは滋味深い良質の食材として、清張氏をはじめ多くの著名人、お客様に愛され今あります。
また、よく「すっぽんは泥臭いのでは?」との声をいただきますが、安心院(あじむ)の清流で育ったすっぽんは肉質が良く、クセや臭みが極端に少ないため刺身としても召し上がれる程です。
ここ安心院(あじむ)の自然で健やかに育ったすっぽんをお楽しみください。
すっぽん一筋100年…料亭やまさの3つのお約束
九州産「極上すっぽん」のみ厳選
安全で美味しいすっぽん料理をご提供するため、健康なすっぽん作りから始めました。大分県の豊かな自然のもと清流を引いた当店専用の養殖池にて、餌にこだわり2年ほどの歳月をかけ丁寧に育てています。生産者の猪股さんがたっぷり愛情を注いだ健康なすっぽんをお届けします。
1kg以下のすっぽんは使いません
当店は1kg以下の小さなすっぽんを使用することはありません。脂が極端に少なく、旨味が足りないからです。冬眠を繰り返えすことで1kg以上に育ち、旨味たっぷりの脂身は黄色くなります。
この黄色い脂身こそ上質なすっぽんの証なのです。
クセや臭みは徹底除去
当店では調理する1カ月前から敷地内のいけすで、すっぽんの餌断ちをしています。これによりクセや臭みが抜け、お子様からご年配の方まで皆様でお楽しみいただけます。
また当店のすっぽん鍋は材本来の旨味を楽しめるよう、"水炊き"にてご提供しています。生姜や醤油をいれて臭みをごまかす必要はありません。